ウェアラブルテクノロジーと創作の「スピード」という概念について


SOFT Master Classで学んだSense/Stage。その後ファッション科のMin Liとチームを組み、「Blind Experience」パフォーマンスという形で完成させました。「人は視覚以外の感覚でどういうコミュニケーションを取れるだろう」という疑問を元にリサーチを重ね、システムと人の相互作用を土台にしたパフォーマンスという形で具現化しました。

Xbeeベースのオープンソースのワイヤレス・コミュニケーションボード「Sense/Stage」を使っています。

パートナーのMin Liは、プロのコンテンポラリーダンサーの経験から、素晴らしいモーションの提案をしてくれました。
実はこのモーション、コンテンポラリーダンサーのエクササイズの動きを取り入れたもの。
「身体を完全にパートナーに預ける」というそのエクササイズは、互いの信頼関係が無いと成り立ちません。
体重を完全に相手にまかせるということがかなり怖く、最初の頃はかなり苦労しました。

ただしばらくすると、目が見えないことで自然と身体の力が抜け、相手を視覚以外の情報で知ろうと脳が動き出します。
自分の中にあった体幹が相手との間に移り、それぞれ独立していた時とは別のコミュニケーションが発生します。

そんな中で、彼がデザインしたボディースーツが動きのルールになり、人間の意志とシステムの橋渡しをしてくれます。
音によるコミュニケーションをSense/Stageというシステムに委ね、人間はシステムが発する声に操られます。
人間とシステムのコントロール/被コントロールな関係性も、この作品には織り込まれています。

Blind Experience
Performance/Costume Design/Concept/System Development:Min Li/Nishigaichi

さて、そんな感じで(?)無事に今学期も終了。
今期はウェアラブルテクノロジーのWeTech Labにインできたのが、個人的にはすごい大きかったです。
美大に行くきっかけになったDEAFのワークショップから2年半、やっと本丸にたどり着いた感じです。

ウェアラブルテクノロジーは、アート/デザイン/エンタメ/クラフト/コンセプト/etcといった色々なフィールドにまたがっているジャンルなので、今後はもっとフットワーク軽く動いていければと思います。

というのも、システムやデザインに近い場所で仕事をしていたからだと思うのですが、アートには作品のリリースにおける「スピード」という概念があまり無い。

ソフトウェアなんかはベータ版というものがあって、早々にリリースして、ユーザに触ってもらって完成させていくけれども、アートはもっとタイムラインの1コマが長い。

ファインアートはきっとそれで問題ないのだけれど、ウェアラブルテクノロジーの場合リサーチからコンセプト、手法の模索をしているうちに技術革新はどんどん進んでしまって、作品完成時には既にその技術はout of dateになっている。

ウェアラブルテクノロジーは技術ありきの側面があるので、ファインアーツと同じ時間軸で動くことに不自然さを感じます。
(ウェアラブルテクノロジーがエンタメと相性が良いのは、こういう理由もあるのかなと思ったり。)

今回作成した「Blind Experience」は、どちらかというとファインアーツの流れ・時間軸で作成。
技術やシステムではなく、あくまでコンセプトは人間側が持ち、技術・システムは手法として機能しました。

ただ、パフォーマンスという表現を取った場合、そのコンセプトをどこまで伝える必要があるのかはまた別の話で。観客側としては、パフォーマンス観て感じるわけで、説明文を読んで感じる部分は少なかったりするわけです。
またここはエンタメとアートの違いというかブツブツブツ…。

….( ゚д゚)ハッ! 失礼しました。
まだ色々模索中でして、考えがまとまるのはもう少し先になりそうです(汗。
ラボには色々な科の生徒が参加するので、ウェアラブルを知らない彼等のアイデアも楽しみです。
今後もWe Techラボの活動内容をお伝えできればなと思います。


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